価格の安い(ローコスト)注文住宅と高い注文住宅の違いとは?
注文住宅を建てようと思い立ち「どのくらい経費がかかるかな?」と調べてびっくりしたことはありませんか?
とくに大手のハウスメーカーによる注文住宅は人件費も高く、利益も乗せられるため、高額で販売されていることが多いです。
一方で、非常に低価格な注文住宅も存在します。
いわゆるローコスト住宅と呼ばれるもので近年非常に人気です。
価格も一般的な建売住宅と同じくらいなので「それなら自分たちの希望が盛り込めるローコスト住宅のほうがいい」と、予定を変更する方も少なくないことでしょう。
ここでは注文住宅の価格相場が比較的高い理由や、ローコスト住宅のメリット・デメリットなどを、比較形式でまとめてみたいと思います。参考になさってください。
注文住宅の価格相場が高い理由
なぜ注文住宅は高くなってしまうのでしょうか。
いくつかの理由が存在します。
■人件費がかかる
注文住宅はそれなりの腕を持つ大工さんでないと担当できません。
しかもそのレベルの大工さんが長期に渡ってかかりきりで建築することとなります。
建売住宅と違って工場でまとめてプレカットすることもなく、工期も長めになりがちで人件費の占める割合が高まってしまうのです。
■建材の費用が高くなる
建材に関しては建売住宅などは数軒分をまとめ買いしていますので、かなり経費を節約できます。
その点注文住宅は独自の外見やデザイン、間取りを有することも多く、建材も何かとカスタムメイド的になりがち。
希少な建材を用いることも少なくないんです。
しかも注文住宅を選択する施主はこだわりのある方が多いため、どうしてもいいものを求める傾向があり、建材費は高くなってしまうことがほとんどです。
加えて日本の住宅は湿気対策やシロアリ対策もマスト。
対策のために建材費が高くなるとも言えるでしょう。
■あらゆる性能をないがしろにできない
個性的なつくりで経費がかさんでも、ほかの住宅性能を犠牲にすることもできません。
たとえば基礎や構造体の強度、耐震性能などは、定期的に大震災に見舞われる日本においては簡略化できません。
からだも肌も日本人はデリケートなほうですから、ケミカルな接着剤で貼り合わせた集成材や、ホルムアルデヒドからできた防腐剤など、シックハウス症候群を引き出すような安価な材料を使った家づくりはもうできない時代になっていると言えます。
大気汚染が進行し、花粉も増加傾向なので、高気密でないと困る方も増え、高齢化しているため、高断熱による室内温度の均質化も重大な問題となる家庭も多くなっています。
いわゆる高機能住宅が標準となりつつあり、住宅性能も妥協できにくいでしょう。
■日本の、とくに大手は経費がかかりすぎている
日本の大手ハウスメーカーはテレビやラジオ・新聞などの折り込みチラシ、モデルハウスなど、ありとあらゆる媒体で宣伝費をかけています。
しかも多くの営業マンを抱え、人件費も相当なものです。
大手から下請けに仕事を投げるときには中間マージンが発生します。
そうした経費がすべて上乗せされて、販売価格がハネ上がってしまうんです。
以上のような理由が重なって、どうしても注文建築は高くなってしまいます。
価格相場の安い(ローコスト)注文住宅には理由がある
既述のとおり、低価格な注文住宅・ローコスト住宅が人気となっています。
本来であれば価格の高くなる注文建築をどうしてそんなに安く販売できるんでしょうか。
■建売住宅のように人件費を節約
注文住宅と言いつつ、間取りを規格化しているパターンが多いです。
ですから建材の一括購入や工場でのプレカットにより、工期を短縮化して人件費を節約できます。
■設備や建材の節約
注文住宅と言いつつ規格化しているので、一括仕入れによって仕入れをコストダウンできます。
キッチン設備やユニットバスも最新型でなく、必要最小限の設備に限ることで節約。
また、部屋数を減らし、照明やドア、コンセントなどを減らすことでコストダウンするケースもあるようです。
■高機能住宅にしない
高気密工断熱など、住宅に付加価値を与えるような機能を付加しないことでのコストダウンをしていることも多いです。
■保証やメンテナンスを手厚くしない
保障期間を短めにしたり、メンテナンスを最小限にするなどで価格対策をしているところもあるようです。
ローコスト住宅を発注する際には、どこまで保証されているかをよく確認するようにしましょう。
■広告費の節約
テレビの全国ネットなどの高額な宣伝を避け、ローカルなチラシなど、エリアを限った低価格で打てる宣伝活動に限っています。
以上のような面を認識した上でなら、ローコスト住宅という選択をするのも悪くないでしょう。
くれぐれも完成してから「壁が薄くて外の声がうるさい」とか、「冷暖房が効かなくて光熱費がかさむ」などの後悔をしないようにしてほしいですね。
工務店とハウスメーカーの料金相場の差は?
工務店とハウスメーカーにはじつは明確な線引きはありません。
しかし、一般的にはこのような違いがあると思います。
■ハウスメーカーの特徴
【メリット】
・対応エリアが全国、もしくは全国ほとんどをカバーしている
・大規模な企業で経済的な安定感があり、知名度による信頼感がある
・注文住宅を謳っていてもある程度規格化されているので工期が短くて済む
・住宅展示場やモデルハウスが充実している
【デメリット】
・宣伝や営業などに経費をかけている分、工務店より高くつくことが多い
・規格化されている分、制限も多い
■工務店の特徴
【メリット】
・地域密着。そのエリア内では情報を豊富に持っていて、対応が親身
・施主やその家族の意見をできるだけ取り入れて1から家づくりをしてくれる
・規格化されていない分、融通が利く
・ハウスメーカーと同程度の家ならコスパがいい場合がほとんど
【デメリット】
・規模が小さいので倒産の危険がある
・工務店によって住宅品質にバラつきがある
好みや都合も違うと思いますので、どちらにするかは施主次第。
しかし、コスト面や自由度では工務店に軍配が上がるとようですね。
宣伝費や営業マンの人件費というのは非常に大きなウエイトを占めてしまいます。
とくに全国ネットのCMなら電波使用料などは莫大な金額。
そこに有名タレントなどが起用されればありえない額にまで膨れ上がります。
本サイトでTOP5に選んでいる工務店なら技術面でも定評があるので、コストと自由度を重視するなら相談してみるといいでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
「同じ注文住宅なのにどうしてこんなに違うの」という疑問が晴れたんではないでしょうか。
ようするに「どこに経費をかけるか」という点に尽きるかと思います。
ぜんぶに予算をかければ予算オーバーしてしまいますから。
ただ安くなればいいのか。
それともクオリティは下げずにある程度コストを下げたいのか。
宣伝費を抑えて堅実に評判で仕事を広げるところもあれば、とりあえずすべてを最低限にしてそんなに快適ではない家を薄利多売していることろもあります。
家は一生一度の大切なお買物。
お金のかけどころや、節約ポイントを見極め、まちがいのない業者に施工を依頼したいですね。