注文住宅の購入時にも発生!不動産取得税とは?
皆さんは「不動産取得税」というものをご存知でしょうか。不動産を購入した経験がない方でも恐らく一度は耳にしたことがあると思います。
実はこの不動産取得税は注文住宅を購入した方にとって決して無関係ではありません。注文住宅を購入すれば納税の対象となります。
いざ払うときに慌てず済むように事前によく調べ、しっかりと備えておく必要があります。
不動産取得税とは?いつ払う必要がある?
不動産取得税がどのような税金なのか、簡単にご説明します。
不動産取得税とは、個人・法人を問わず、土地や家屋を購入するなどして不動産を取得した人に対して課せられます。不動産を取得した時に、その不動産が所在する都道府県に対して一度だけ納税の義務が課せられます。
ちなみに該当する不動産の所有権を1日でも取得した場合も課税の対象となるだけでなく、所有権の移転に関する契約が解除された場合も、移転の事実があるかぎり課税対象となります。
なおこの税は各都道府県が課しているものなので、場所によって納期などの細かい決まりが異なります。不安なときは不動産が所在する地域の公式ホームページの情報を確認したり、直接問い合わせるなどしておくと確実です。
さて、当然注文住宅を購入した場合も課税の条件に該当するので対象となりますが、納付するタイミングはいつになるのでしょうか。基本的に、不動産を取得した日(取得日)から大体半年~1年半の間に納税通知書が各都道府県から届きます。
この納税通知書を使い、金融機関で税金を納めます。先述したとおり、各都道府県によって納期が異なるので注意しましょう。
ところで注文住宅の場合、不動産を取得した日付(取得日)がいつになるのかをご存知ですか。土地を買った日、登記日、引渡しの日のどれなのか迷ってしまいますよね。
実はマンション、建売住宅など関係なく新築の物件であれば、建物の引き渡しを受けた日が取得日とされています。ですから、注文住宅を購入した場合、引渡し日の半年~1年半後くらいに不動産取得税を納めることになります。
不動産取得税の計算方法
当然のことながら一軒一軒納税額は違うため、住まいの不動産取得税がいくらになるのか把握しておきましょう。気になる不動産取得税の金額ですが、以下の簡単な計算式で注文住宅の税額を算出することができます。
・【住宅の価格-控除額】×税率(3%)=不動産取得税
ここでは、注文住宅を実際に購入したときの価格ではなく固定資産税評価額というものが「住宅の価格」となります。埼玉県で平成33年3月31日までに床面積50㎡以上240㎡以下の住宅を取得した場合、固定資産税評価額は、購入したときの値段の2分の1の金額となります。
控除額は1200万円と一律で決まっているので、控除額には1200万円と入れて計算しましょう。ただし、購入した住宅が長期優良住宅として認定を受けていれば、控除額は1300万円となります。
もし住宅の価格が控除額である1200万円を下回る場合は、課税対象額が0円になってしまうので、不動産取得税も0円となり、免税対象となります。
一つ、簡単な例題を挙げてみましょう。例えば、「平成30年に床面積130㎡の住宅を建てた」とします。
仮にこの住宅の「住宅の価格(固定資産税評価額)」が1300万円だとするなら、計算式はこのようになります。
・【1300万円-1200万円】×3%
つまりこの住宅の不動産取得税は3万円ということになります。また、新築であっても土地(宅地)だけの場合と、建物を建てた場合では計算式が異なるので誤った式で計算しないようご注意ください。
税額軽減される場合もある?
不動産取得税は軽減されるケースがあります。例えば賃家以外の一戸建て住宅の場合、床面積が50㎡以上あればこの住宅は軽減の対象となります。
このように一定の条件を満たした住宅を取得したり、住宅用の土地を取得したときなどは、税事務所に申告することで税の軽減をしてもらうことができるのです。手続きをすれば以下のいずれかの多い金額が不動産取得税から軽減されます。
【A】4万5000円
【B】土地1㎡あたりの価格×1/2×住宅の床面積の2倍(200㎡が限度)×3%
ただし、減額の手続きは不動産取得税の納付書が送付される前に全て済ませておかねばなりません。目安としては大体20日~60日くらいまでが申請期限であると考えておきましょう。
期限を過ぎると減額の条件を満たしていても適用されないこともあります。スムーズに手続きができるよう、あらかじめどのような書類が必要なのかしっかり確認しておきましょう。
また、住宅完成前と完成後に申請するのでは提出する書類が異なるのでご注意ください。住宅完成前に提出する書類としては、以下の5つが必要です。
・土地売買契約書
・建築工事請負契約書
・建築確認済書
・最終代金領収書
・平面図
建築した住宅が長期優良住宅の場合、施工会社が発行した長期優良住宅認定通知書も合わせて提出しましょう。
住宅完成後に提出の場合は、完成前と同じ5つの書類に加え、以下の2つの書類が必要になります。
・土地の登記事項証明書
・検査済証、建物の登記事項証明書、建物引き渡し証明書と請負業者の印鑑証明書の原本の中からどれか1つ
このように、住宅完成前か完成後かの申告のタイミングの違いで提出書類が増えるので、注意が必要です。
埼玉県では家の完成が遅れ、「減額を受けたいのに、まだ家が完成していない」という方のため、税の徴収を猶予することができる場合があります。取得した土地の上に4年以内に新築住宅が建設されること、もしくは住宅を取得することが確実であるなどの条件のもと、やむを得ない事情があると知事が認めた場合、住宅の完成日まで軽減額に相当する税の徴収を猶予できることがあるのです。
徴収の猶予と減額を受けたいと考えている方は納税通知書に記載されている納期限までに手続きを行ってくださいね!
埼玉県の不動産取得税の特徴
埼玉県で注文住宅を立てた場合、埼玉県へ不動産取得税支払いの義務が発生します。納める額は「不動産の価格×税率」で算出することができます。
ここでいう不動産の価格とは、住宅の建築費や購入額を指すのではなく、市町村の固定資産課税台帳に登録されている金額を指します。万一固定資産課税台帳に登録されていない場合、埼玉県知事が全国的に統一された基準を基に決定します。
税率は不動産の種類によって異なり、土地・住宅に対して3%、住宅以外の工場や倉庫といった家屋に対しては4%の税率がかけられます。
埼玉県で新築の家屋を取得した場合、不動産の所在地を管轄している市町村(さいたま市の場合は各区役所)または県税事務所に取得日(引渡し日)から30日以内に申告を行う必要があります。動産取得申告書については埼玉県の公式ホームページからダウンロードできるので、印刷し、必要事項を記入して提出しましょう。
不動産取得税の支払い方法
支払い方法は普通徴収のため、納税通知書を金融機関に持参し支払うことになっています。もしくは不動産取得税の納税通知書に印刷されたバーコードから、クレジットカードで決済する方法を取ることもできます。
パソコンやスマートフォンから「Yahoo!公金支払い」のウェブサイトにアクセスし、納付番号やクレジットカード番号を入力すればあっというまに納付ができます。忙しくてなかなか支払いに行けないという方も、移動せず楽に支払いができるのでクレジットカードを使った方法もおすすめです。クレジットカードはJCB、AMERICAN EXPRESS、VISAなどが使用できます。
納税は通知書に記載された日付までに完了しておきましょう。
まとめ
不動産取得税とは、土地や家屋を購入すれば誰でも課せられるものです。継続的に払う必要はなく、不動産を取得したときのみ発生します。
軽減措置を受けられることが多く、本来納付しなければならない不動産所得税から大幅に減額できます。納税通知書が送付される前に軽減のための申告を早めに済ませ、確実に減額してもらえるようにしておくと良いでしょう。
申告の際に必要な書類の数は、住宅が完成する前か完成後かによって変わります。不明点があれば、県のホームページ、または専用の相談窓口に連絡することをおすすめします。