後悔しない注文住宅を建てるために注意したいポイント
注文住宅の魅力は、施主のニーズに応じて間取りやデザインを自由に設計できることです。ただし、初めて方にとっては、具体的に何を注意すればよいのかわからないケースも珍しくありません。完成後に後悔しないためにも、注意すべきポイントをチェックしておきましょう。今回は、注文住宅を建てる際に注意すべきポイントについてお話しします。
もくじ
予算の枠を明確化した上で、家造りで優先したい事項を落とし込む
注文住宅に限らず、家を建てるには多額の費用がかかるものです。とくに注文住宅では施主のニーズや希望に合わせながら自由自在に間取りやデザインを決められるので、こだわる部分が多ければ多いほど費用がかさむことになります。
予算を無視して「あれもこれも」と理想のままに設計を進めてしまうと、予算をオーバーして後悔することにもなりかねません。したがって、間取りやデザインを決める前に、まずは自分たちの予算の枠をしっかりと確認し、使える予算を明確にしておくことが大切なポイントです。
そして、予算の枠を決めたなら、その注文住宅に何を求めるのか、優先事項を列挙しておくのが次のポイントになります。たとえば、家族の団らんを重視するためにリビングの機能を高めることが挙げられるでしょう。
さいたま市で子育て中心の生活を考えているのであれば、子ども部屋を充実させる間取り、さらに将来的には両親とさいたま市で同居まで予定している場合には、2世帯住宅へ移行しやすいデザインにするなど、さまざまなケースが考えられます。このように、優先事項を列挙した後は順番に予算の枠へ落とし込んでいき、枠内に収まるように調整します。
間に合わせたい期日から逆算し、余裕のあるスケジュールを立てる
既に完成している分譲住宅とは異なり、注文住宅の家造りではゼロからのスタートが通常です。そのため、設計から着工そして完成まで緻密なスケジュールを立てておかなければ、予定した期日までに完成しないこともあり得ます。
とくに、設計の自由度が高い注文住宅では、素材や設備をメーカーから特注で取り寄せたり、特定の作業のために熟練の職人さんを集めなければならなかったりなど、何かと手間や時間がかかるものです。当初のプランにちょっとした変更があるだけで、大幅にスケジュールが遅れてしまうこともあり得ます。
また、注文住宅では緻密なスケジュールが必要になるため、着工前の打ち合わせだけでも、多くの時間が費やされることも珍しくありません。さいたま市の、ある注文住宅では、打ち合わせに1年以上かかったケースもあります。もちろん打ち合わせの時間が延びるほど、当然のごとく着工もそれだけ遅れることになります。
このように注文住宅では通常の家造りに比べ、何かと時間を費やすシーンが多くなりがちなので、スケジュールには余裕をもたせるとよいでしょう。
家の間取り等を決める際には、日頃の生活パターンをイメージする
注文住宅を初めて検討する方にとって最も気になる点が、家の間取りや機能あるいはデザイン等ではないでしょうか。実際に間取りやデザインひとつで、完成後の生活にも様々な影響を与えます。家造りが理想通りであれば快適な暮らしが約束される一方で、失敗すれば居心地も悪くなり後悔することにもなります。したがって、注文住宅では設計の自由度が高い分、家の間取りや機能あるいはデザイン等について、慎重に検討しなければなりません。
その際に大切なポイントは、これまでの生活パターンをよくイメージすることです。朝起きてからまず洗面所やトイレへ行くのであれば、寝室から移動しやすい動線を確保する必要があります。ついでにシャワーを浴びる習慣があれば、トイレや洗面所とワンセットで浴室の位置も決めることが求められます。
またキッチンの間取りも重要なポイントになるでしょう。とくにシンクとコンロそして冷蔵庫の位置が、適切な三角比になっていることが理想です。この三角比が正三角形に近く、三角辺の合計が3メートルから6メートルの範囲に収まれば、キッチンで快適な作業動線を確保できると言われています。
家の顔になる玄関にはこだわりを持とう
玄関は単に出入り口として機能するだけでなく、その家の顔にもなる部分なので、家造りではこだわりを持つべきでしょう。これは注文住宅であっても例外ではありません。玄関の広さや形状あるいは素材など、様々な要素をじっくり検討することが求められます。
その際に大切なポイントは、収納スペースをいかに確保すべきかです。どんなにオシャレな玄関であっても、靴が幾つも出ていたり、自転車の空気入れやベビーカーが置いてあったりすると、スペースが狭くなるだけでなく、見た目もよくありません。そこで靴や屋外で使用する道具類などを、適度に収納できるスペースがあると、玄関もスッキリ見せることができます。
続いて玄関の機能や広さについても、よく検討する必要があります。たとえば家族にお年寄りや子どもがいるなら、靴の脱ぎ履きしやすい段差にすることが優先されます。また、車椅子を使用している方がいる場合も、玄関の間口を広めに設計することが求められます。
さらに玄関に使用する素材もよく考えましょう。小さい子どもや大きいペットがいるなら、キズや汚れの付きにくい素材を取り入れるのが無難です。
収納スペースの間取りでは位置や物品をよくイメージする
収納スペースの重要性については、玄関に限った話ではありません。家に十分な収納スペースがなければ、部屋のあらゆる場所に物品や道具類が溢れ返ってしまいます。そうなると部屋を移動する際の妨げになったり、必要な物を使いたいタイミングで使えなったりするなど、日常生活に何らかの支障が生じることもあり得ます。
ただし、家のどこであろうと、とにかく収納スペースさえ確保できればいいというわけではありません。重要なポイントは、適切な位置に適切なサイズの収納スペースがあることです。たとえば、日頃から布団で寝ているのであれば、それをスムーズに出し入れできる場所に押入れが必要となります。その際には布団のサイズ合わせて奥行きや高さを決めることが大切です。
また、小さい子どもやお年寄りがいるのであれば、出し入れしやすい横幅や高さに設計することが求められます。年間を通じてゴルフやサーフィンあるいはスキーといった、さまざまなスポーツを楽しんでいる家庭は、用具類を収納できる物置も必要になるでしょう。
物置のサイズや設置場所を決めるには、単に用具の大きさや数量だけでなく、スポーツの種目や使用頻度など、多角的な視点で判断することをおすすめします。
たとえば、ウィンタースポーツのように、シーズン以外になると長期間使用しない用具類であれば、屋外に物置を設置しても問題ないはずです。また、ゴルフのように年間を通じて繰り返し使用する道具類であれば、いつでも取り出しやすいように、思い切って玄関に専用スペースを設置するのもよいかもしれません。
良好な日当たりや風通しを確保し、プライバシーも守れる間取りを
良好な日当たりや風通しを確保することは、家造りの基本といっても過言ではありません。注文住宅でも、日当たりや風通しの良し悪しによって、完成後の暮らしの質にも様々な影響を及ぼします。ただし、一口に日当たりや風通しといっても、それぞれの部屋の役割を考えながら、バランスよく確保することが大切なポイントです。
たとえば、日当たりの良い部屋ならば、適度な明るさを確保できるため、子どもの勉強部屋には最適です。その一方で室内の温度が上がりやすいので、食品を扱うキッチンや、日光に弱い動植物を飼うような場合には、必ずしもふさわしいとは言えないでしょう。
また、風通しのよい部屋では湿気やカビを低く抑えるため、建材や家具類が長持ちしやすくなります。しかし、冬場には気温が下がることもあるため、体の弱い方やお年寄りにとっては、必ずしもふさわしいとは言えないでしょう。
間取りの設計ではプライバシーについても、十分に計算することが求められます。たとえば、人通りに面している部屋に大きな窓を設置すれば、それだけでも室内のプライバシーを確保し難くなります。このようなケースでは窓のサイズを小さくした上で、設置箇所の数も少なくする、ベランダに目隠しできるフェンスを設置するなど、プライバシーを守るための様々な工夫が必要です。
ここまで紹介してきたように、設計の自由度が高い注文住宅だからこそ、あらかじめ理解しておくべき大切なポイントが幾つもあります。自分たちの理想ばかり追い求めると、完成後の暮らしに支障をきたすことにもなりかねません。単に見た目やイメージだけで間取りやデザインを決めるのではなく、予算やスケジュールなども十分に考慮しながら、慎重に家造りを進めることが大切です。