選ぶなら?平屋vs2階建てvs3階建て!注文住宅の建て方を比較!
注文住宅を依頼する際に、何階建てにするかを考える必要もあるでしょう。一般的には平屋・2階建て・3階建ての中から選びますが、どのような基準で選んだらいいのかわからず迷ってしまうかもしれません。いずれにもメリットとデメリットがあるので、こちらでくわしく解説します。それらを参考にして自分にぴったりの階数を選んでみてください。
平屋の魅力!メリット・デメリットを解説
まず平屋のメリットとデメリットについて解説します。
階段がないから上り下りの負担がない
平屋は階段がないということで、上ったり下りたりの移動がなく体に負担をかけることがありません。高齢者や小さな子どもがいる場合、階段は事故が起こりやすいので心配ですが、平屋ならそんな心配もないでしょう。家を建てるときにまだ若く多少の段差は気にならなくても、年を取ればいつの間にか負担になるのは誰でも経験することです。
建てる時点でバリアフリーも考慮して間取りを決められるのも、平屋のメリットといえます。また、動線が1階だけということで、家事もラクにこなせるはずです。
ゆったりとした間取りにできる
2階建て以上の家に比べ、ゆったりとした間取りにすることができるのも平屋のメリットでしょう。天井を高く、ワンフロアで解放感のある部屋にすることができ、リビングを家の中心にすることで家族の気配を感じやすくなります。家族の気配を感じやすいから、コミュニケーションを取りやすい家になるでしょう。
メンテナンスにかかる費用を削減できる
家は建てた後の定期的なメンテナンスも必要になりますが、平屋の場合は延床面積が少ないため、メンテナンスにかかる費用も削減することが可能です。
2階建てよりも広い土地が必要
2階建てと比べると、敷地面積を広くとる必要があります。平屋でも面積が狭い小さな家を建てるなら問題ありません。しかし、2階建てと同じ延床面積の家を建てようとすると、当然ですが2階建ての2倍の土地が必要です。また、基礎や屋根の面積が2階建てよりも広くなるので、建物そのものの価格が高くなる可能性があります。
防犯・災害のリスクが高い
平屋は外部からの「侵入」のリスクが高いというデメリットがあります。家のどの方向も地続きであることから、窓やドアがあれば不審者が侵入してくる恐れがあり、通行人の視線も気になるでしょう。
また、近年は台風や集中豪雨などで大きな被害が出ることが増えているので水害に備えることも重要ですが、平屋は浸水の恐れがある場合に2階以上の部屋に避難することができません。水害から身を守れなくなるだけでなく、家具や家電などへの被害も大きくなるでしょう。
2階建てがスタンダード?メリット・デメリットを解説
日本家屋でもっとも多いのが2階建て、スタンダードだといえるでしょう。多くの人が選んでいる2階建て、そのメリットから見ていきましょう。
土地は狭くても建てられる
平屋は土地を広く確保することが必要ですが2階建てなら土地が狭くてもOK、延床面積を広くすることができます。また、延床面積が同じなら平屋よりも2階建てのほうが、工事費が安くなるのもメリットです。
家族のプライバシーを守れる
家族間でもプライバシーを確保することは大切です。2階建てなら、平屋と違い家族それぞれの空間を区切ることができます。すべてを個別に区切るのではなく、もちろんリビングなど共通の空間もつくりやすくなるため、ほどよい距離感で暮らしていくことができるでしょう。
また、平屋と比べると2階部分があることで不審者が侵入しにくく、防犯の面では安心感があります。
2階部分の日当たり・風通しがよい
家を建てる土地の環境や隣接する家の影響により、1階部分に日が当たらないこともあります。そのような環境で平屋なら1日中薄暗くなる可能性がありますが、2階建ての2階部分は1階部分に比べて日当たりがよく風通しもよいことが多いです。洗濯物がよく乾くというメリットもあるでしょう。
2階建てのデメリットはない?
2階建てのデメリットについてですが、とくに目立つ大きなデメリットはありません。広い敷地は必要なく建設費も抑えることができ、個々のプライバシーも確保しやすいからです。それでもあえてデメリットを上げるとしたら、平屋よりも家族の気配を感じにくいというところでしょう。
3階建ては不便が多い?メリット・デメリットを解説
2階建てや平屋に比べ、3階建てはそれほど多くはありません。なんとなく不便が多そうに見える3階建て。メリットとデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
延床面積を多くすることができる
所有している土地が狭くても、3階建てにすることで必要なスペースや間取りを確保することが可能になります。また、3階建ては土地を購入する費用を安く抑えられるのがメリットです。
家族のプライバシーを確保できる
2階建てと同様に家族間のプライバシーが確保されますし、ひとつの階を共同で使い、残りの階を世帯で分ける2世帯住宅にするという暮らしもできます。
2階建てよりも日当たり・風通しがよい
3階建ての最上階は採光しやすく、2階建て以下の住宅が建ち並ぶ地域なら見晴らしもよくなります。
上り下りが体の負担になる
階段が2階建てよりも多くなる分、上り下りなど手間がかかるし体に負担がかかることもあるでしょう。とくに高齢者の家族がいる場合、移動が難しくなることがデメリットです。
設備のメンテナンスが難しい
設備のメンテナンスが難しくなる場合があります。給排水の設備など点検しやすいように設置することが必要になるでしょう。また、水まわりをどの位置にもってくるか、よく検討しないで設置すると家事や生活に支障が出る恐れもあります。
法的規制や構造的な規制が多い
平屋や2階建てに比べ、法的規制や構造的な規制が多くなるというデメリットもあります。高さが制限されたり耐火性能が必要になるなど、計画を見直さなくてはいけなくなったり費用がさらに増えてしまうことがあるでしょう。
具体的な規制の例をあげると、「3階建ての建物は、仕様を準耐火構造にする必要がある」「道路面に非常用侵入口を設ける必要がある」「玄関ドアから道路に出るまでの通路は、1.5m以上確保する必要がある」「避難する階段は、3階から1階まで直通階段にする必要がある」などです。このような規制があることで、定型サイズの確保が難しく家づくりをハウスメーカーに依頼できないケースもあります。
スタイル、価格、利便性…注文住宅を建てるならどれがいい?
平屋か2階建てか、それとも3階建てか、注文住宅はどれが正解なのかといわれれば、その人・その家族によって異なるとしかいえません。注文住宅を建てる予定の土地の面積によっては、3階建てしか選ぶことができないケースもあるでしょう。平屋・2階建て・3階建てのどれでも選べるという恵まれたケースなら、まずは自分や家族の理想やライフスタイルを考えてみてください。
もちろん、平屋か2階建てのどちらか、2階建てと3階建てのどちらかで迷っている人も含め、自分や家族がなにを優先するのか、どのような希望があるのかじっくりと相談することが大切です。同時に家づくりに関しての幅広い情報を得ることも必要で、後悔のないように利便性や価格についても調べ検討するようにしましょう。理想の家を思い描くと、そのときに気に入ったデザインや間取りを選びたくなるものですが、
この先長く住み続ける家ですから老後のことも考えておかなければなりません。バリアフリーを考えて平屋にすることもアリですし、将来リフォームが可能かどうか、買い替えも検討するのか、ライフスタイルや家族構成などによって変わってくるはずです。これは外せない、譲れないという条件は家族ごとに違うものですから、じっくり考え相談しましょう。最初に平屋・2階建て・3階建てと決めてしまうことはおすすめできません。
日本で一番多いのは2階建ての家、次が平屋の家、もっとも少ないのが3階建ての家です。それぞれにメリットとデメリットがありますが、家を建てる土地によっては選択肢がないというケースもあるかもしれません。迷ってしまったときは家族構成やライフスタイルをふまえ、優先することや外せないもの、大事にしたいことなど家族で相談しじっくりと考えてください。人生のうちでもっとも高額な買い物になるはずの注文住宅なので、後悔のない選択ができるよう努めましょう。