注文住宅でローンを組むまでの流れや注意点
土地を購入して注文住宅を建てようと思っても、「最初に何をしたらいいのか?」「その後、どんな段取りとなるのか?」意外にわかっていないもの。
自己資金で一括払いできる方はまずめったにおられないでしょう。
おそらく、ほとんどの方が住宅ローンを組むことになります。
ローンを組むとき、何に気をつけたらいいのでしょうか。
どこからどのように融資を受けるのが最適なのか?
はじめての家づくり。
不明点や不安はつきものです。
親に聞いても時代が違うので勝手が違ったり、お金のことなのでみだりに誰かに聞くこともはばかられますよね。
そこで、ここでは住宅ローンを組むときの注意点や金融機関等から融資を受けるまでの流れをまとめてみました。
住宅購入を検討中の方は参考にしてみてください。
ローンの種類
住宅ローンを利用するにあたって、どんな種類があるのか調べてみました。
■住宅ローンの種類
主に以下の3種があります
『銀行ローン』固定金利型、変動金利型、固定金利期間選択型
『フラット35』住宅金融支援機構と民間金融機関が提供
『財形住宅融資』財形貯蓄をしている勤労者向けの公的融資
■銀行ローン① 固定金利型
金利は借り入れから返済終了まで金利が変わらないため、元利を均等返済するときは毎月の返済額も変わりません。
ですから返済計画は立てやすいものの、変動金利型より借入時の金利は高く設定されています。
そして今後、低金利で推移すれば変動金利型より返済額は多めになってしまいます
■銀行ローン② 変動金利型
年2回、半年ごとに適用される金利が見直されるローン。
一般的に金利タイプの中では金利はもっとも低く設定されています。
金利が下がれば返済額は減額され、金利が上がれば返済額は増額されます。
しかし元利均等返済の場合には金利が変更されても、元金部分・利息部分の内訳が変わるだけで、毎月の返済額は原則5年間変わりません。
今後金利が上昇しなければ、ずっと低金利の恩恵を受けられます。
■住宅ローン③ 固定金利期間選択型
一定の特約期間に固定金利が適用されるもので、特約期間は主に3年・5年・10年などがあります。
特約期間終了後は変動金利型か、再び新たに選択した一定期間固定金利型のどちらかを選択可能。
新たな金利がそれまでの金利よりも上昇する場合、毎月の返済額が増えてしまうこともあります。
金利の動きにつねに注意を払っていなければなりません。
■フラット35
住宅金融支援機構と民間金融機関がローン証券化の手法を利用し、提携して行う住宅ローン。
まず民間金融機関が融資する住宅ローン債権を住宅金融支援機構が買い取ります。
それを住宅ローン担保証券という債権(証券化)にして投資家に転売されるしくみです。
長期固定金利で人気のローン。
最長35年の長期固定金利で、金利水準も1.81%から2.76%程度というメリットがあるためでしょう。
ただし、ローンの返済とは別に団体信用(団信)生命保険料の負担が発生してしまいます。
■財形住宅融資
「勤労者財産形成貯蓄制度」略称・財形貯蓄。
勤労者の貯蓄や持ち家の取得促進を目的とした貯蓄制度です。
個人で加入することはできませんので、勤務先が福利厚生の一環として財形住宅融資を導入していなければ利用は不可能。
加入すると給与から一定額が天引きされて、勤務先企業が金融機関に送金するしくみです。
会社を通した預金制度と言えます。
返済の開始から終了まで5年ごとに適用金利を見直すという「5年間固定金利制」です。
以上、なかなか一度に理解するのはむずかしいと思いますので、目を通していただき、「こんなのがあるんだな」とザックリと把握しておいてください。
ローンを組んでからの流れ
では、注文住宅のローンの流れはどのようになるんでしょうか。
①土地の購入
土地購入の予算は家を建てる予算全体の20~30%程度に収めるようにします。
広さばかりに気を取られることなく、エリアの特徴や生活上の利便性、住環境、摂道義務や道路付けなどにも調査し、注意を払うのを忘れないようにしましょう。
②プラン・予算の決定
総予算に納まるように土地代+建築費を決定。
施工会社選びも土地探しと同時進行で進めておく必要があります。
住宅施工会社が決まったらすみやかに打ち合わせをして、プランニングをしましょう。
③ローン事前審査
銀行による仮審査。
いまはネットでの申し込みも可能です。
まずは金利を比較するために複数の銀行で申し込みをしましょう。
ただし、審査を申し込む銀行は3つまでにしておかないと、他で審査に落ちたと疑われる危険性が出てきます。
④工事請負契約
住宅施工会社に対する契約。
施工会社は「建物の完成」を、施主は「建築金額の支払い」を確約します。
この時点では当然、工事プランと設計は決定済でなければなりません。
⑤ローン本審査
保険会社による審査。
仮審査と審査基準が違いますので、仮審査に通ったからと言って本審査に通る訳ではありませんので、ご注意ください。
⑥住宅ローン契約
ローンの審査に通ったら契約です。
住宅施工会社に対する費用はすでに発生しているので、つなぎ融資で支払っておきます。
⑦ローンの実行
注文住宅が完成したら住宅ローンが実行されます。
利用したつなぎ融資の返済をしましょう。
同時に完工代金を支払います。
支払完了後、注文住宅の引き渡しとなります。
以上の流れをよく把握し、資金や重要書類の準備がスムーズに行えるようにしておきましょう。
ローン審査を通すための注意点!
注文建築において、住宅ローン審査を無事通過するためにはどんなことに注意すればいいんでしょうか。
■注文住宅の住宅ローンは煩雑
建売住宅やマンションの購入に比べると、注文建築では「住宅ローンの組み方に手間がかかる」と言われています。
通常、住宅ローンを組むとき、担保である「抵当権」が住宅に設定されます。
ですから建売住宅やマンションなら、建物が完成して引き渡し日には金融機関から融資金を受け取ることができるんです。
しかし、契約時にはまだ住宅ローンが実行されていませんので、「契約手付金」は自己資金で調達する必要があります。
注文住宅の場合は抵当権を設定できる住宅がまだありません。
融資が実行されるタイミングは建物完成時なので、「土地代金+建物完成までに工務店に支払う代金」も別途、自分で調達する必要があります。
■土地・建物共に「建築確認申請」を行ってから!
住宅ローンを申し込むときには土地と建物をセットで申し込むのが原則。
土地の売買契約は済んでも建物の計画が未定では既述の理由で審査は受けられないんです。
ですから建築会社とプランニングをした上で役所に建築確認申請をし、承認を受けていなければなりません。
■住宅ローンと年齢
20代で住宅を購入をすれば定年まで猶予が長いですので、多少低収入でも35年間の住宅ローンが組みやすいでしょう。
しかし40歳で住宅を購入する場合、返済を終えるのが75歳になってしまうため長期間のローンはむずかしくなってしまいます。
しかしこの場合も、頭金を多く用意しておくことで解決できるでしょう。
以上にはくれぐれも注意して、住宅ローン審査に臨んでください。
まとめ
いかがでしたか。
住宅ローンの話だけでも複雑なのに、注文住宅となるとさらに複雑になってしまうため、読んでいただくだけでもたいへんだったかと思います。
しかし、資金の話は注文住宅建築全般の話の中でも重要な話。
頭がすっきりしているときや、疲れが取れているときに再度、腰を据えてゆっくり読んでいただくことをおすすめします。