土地の探し方は?土地代以外の経費・購入時に住宅ローンは利用できるのか?
マイホームを建てるときに必要となる土地。まずは土地が決まらなければ、家づくりは進みません。しかし、家づくりについて右も左もわからないと、土地の探し方も何からやればいいかわからない、という方が多いのではないでしょうか?そこでこの記事では、土地の探し方と、注文住宅を建てるにあたって出てくる「土地に関する疑問」を解決します。
土地の探し方は?
土地の探し方としてまず挙げられるのが、土地を自分で探す方法です。土地を自分で探すときは、注文住宅を建てたいエリアに実際に足を運び、空き地や売地がないかどうか調べましょう。
そんな自分で土地を探す方法のメリットとデメリットを解説します。
自分で土地を探すメリット
自分で土地を探すメリットは、実際にその場所に足を運ぶことで、周辺の雰囲気がわかるという点です。また、バス通りや駅は近くにあるか、周辺にスーパーやショッピングモールがあるかなど、生活するにあたって必要な環境もわかります。
自分で土地を探すデメリット
自分で土地を探すデメリットは、そのエリアに必ず空き地や売地があるとは限らないということです。また、いいと思った土地があっても、そこに本当に注文住宅を建てられるのか、素人が判断するのは難しいでしょう。
そして、土地の購入にかかる費用は土地代だけではありません。後ほど解説しますが、さまざまな経費がかかってきます。それらの費用負担に加えて、自分で土地を探すのは手間がかかると言えるでしょう。
不動産屋や工務店で探す
次に、不動産屋や工務店で探す方法です。不動産屋は土地や家のプロでもありますから、希望エリアを伝えれば土地を探してくれます。
また工務店は、建てたい家の間取りなどに適した土地を探してくれるでしょう。では、不動産屋や工務店で土地を探すメリットとデメリットをご紹介します。
不動産屋や工務店で土地を探すメリット
不動産屋や工務店で土地を探すメリットとしては、希望エリアを伝えれば、自らそのエリアを歩き回らなくても、家を建てられる土地を探してくれるということです。工務店は、建てる家のことも考えて土地探しをしてくれるため、より理想に近い土地を探してくれるでしょう。
さらに、工務店なら、土地代と建物代の総予算を考慮した上で土地を探せます。そのため、既に依頼したい工務店が決まっている場合は、最初から工務店で土地探しをしてもらうというのも一つの手です。
不動産屋や工務店で土地を探すデメリット
不動産屋や工務店で土地を探すデメリットとして、土地探しが得意でない不動産屋や工務店があるということです。また、希望エリアの土地に関する情報に詳しくないと、自分に適した土地を見つけてもらうことは難しいでしょう。
そして不動産屋や工務店で土地を探すということは「不動産屋や工務店の向こう側に土地の売主がいる」ということになります。そのため、仲介手数料が発生するのです。これもデメリットと言えるでしょう。
建築条件付き土地を探す
土地を探す方法として、建築条件付き土地を探すという方法があります。建築条件付き土地とは一体どのようなものなのか、そして建築条件付き土地のメリットとデメリットを見ていきましょう。
建築条件付き土地とは
建築条件付き土地とは、その名のとおり、建築の条件がついた土地です。建築に関する条件を満たせば、その土地を購入できます。代表的な建築条件としては、指定された建築会社で家を建てること、決められた期間内に建築請負契約を結ぶことが挙げられます。
建築条件付き土地のメリット
建築条件付き土地を購入するメリットとして、その土地の相場価格よりも安く購入できることです。なぜなら、建築条件付き土地の売主は、その土地を売れば指定建築会社で建築することを約束されるため、大きな利益につながるからです。
また、土地を購入した時点で建築会社が決まっているので、一般的な注文住宅よりも早く家を建てられます。そのほか、希望のエリアで土地を探しても、なかなかいいと思う土地が見つからない場合には、建築条件付き土地も視野に入れて探せば、希望のエリアで土地が見つかる可能性が高くなります。
建築条件付き土地のデメリット
建築条件付き土地のデメリットとなるのが、依頼する建築会社を選ぶことができない点です。指定された建築会社のコンセプトが、自分の理想とする家づくりと違うと、理想の家を建てるのが難しくなるでしょう。
さらに建築条件付き土地は、間取りや内装などがあらかじめ決められていることが多いです。そのため、1から注文住宅を造りたいという方には向いていません。
土地を購入する場合の注意点
土地の探し方がわかったところで、次に土地を購入するときの注意点を見ていきましょう。
土地の状態はどうか
土地を購入するとき、その土地の状態を細かく確認しましょう。まず大前提となるのが、その土地が「宅地用」であることです。
宅地用とは、住宅を建てるための土地のことを指します。販売されている土地の中には、宅地用ではないものもあるのです。そのため、家が建てられる宅地用の土地かどうかをきちんと確認しておきましょう。
また、土地の地盤の強さについても確認してください。地盤が弱い土地だと、地震などの災害時に地盤が沈下してしまう可能性があります。建てる家に暮らす家族を守るためにも、地盤の強さは確認必須です。
さらに、土地を購入する前に境界線も確認しておきましょう。隣の土地との境界線がきちんと引かれていないと、後々トラブルになる可能性があるからです。そのほか、建ぺい率や容積率など、土地に対する建築条件の確認も忘れずに行ってください。
周囲の環境や補助制度はどうか
土地を購入するときは、周辺の環境や自治体の補助制度についても確認しましょう。交通の便はどうか、近くにスーパーなど買い物する場所はあるかなどは、その家に住んでからのライフスタイルを左右します。そして子どもがいる家庭は、その地域の子育て支援についてや、通う学校の学区なども調べておくといいでしょう。
また、その地域の自治体の補助金制度について調べておけば、その土地での暮らしでどんなことが助成されるのか、あらかじめ知っておくことができ、安心です。
住宅ローンについて
注文住宅を建てるにあたって、住宅ローンについての不安はありませんか?なかでも、土地購入資金に住宅ローンが組めるのかどうかを疑問に思っている方は多いでしょう。実際のところ、土地代に住宅ローンは適用できるのでしょうか?
土地購入資金に住宅ローンは利用できるのか
結論から申しますと、土地のみの購入資金に住宅ローンは利用できません。なぜなら住宅ローンは、契約者が住む家を買うために融資されるものだからです。
しかし、土地のみの購入の際に適用されるローンがいくつかあります。それは「土地先行融資」と「つなぎ融資」です。土地先行融資は、住宅ローンとセットになっています。また、土地や建物に関する書類を準備する必要があります。そしてつなぎ融資は、住宅ローンの融資が始まるまでの期間、土地代や建築請負工事の着工金、中間金の融資を受けられます。
土地先行融資は住宅ローンとは全く別の融資先ですが、つなぎ融資は住宅ローンを組む金融機関から融資が受けられます。このように、土地購入にもローンは利用できます。
ただ、土地代をすぐに融資してもらいたいがために、ローンを組む金融機関を慌てて決める人が多くいます。慌てて決めたことで後悔する人も少なくないので、注意が必要です。
土地購入でローンを利用したい場合は、ローンを組む段階で、依頼する建築会社や、建てる家のプランを定めておくことをおすすめします。
土地代以外にかかる経費とは
土地の購入をするときは、どうしても土地代に目が行きがちです。しかし、土地代以外にもかかる経費があります。一体どのような経費がかかるのでしょうか?
上下水道やガスなどの整備にかかる経費
購入する土地のインフラ整備が整っていない場合は、水道やガスの接続工事をしなければいけません。さらに下水道がない場合は、浄化槽の設置も必要です。浄化槽は設置後も定期清掃や点検などに維持費がかかります。
境界、測量や地盤調査等にかかる経費
境界線が明確でない土地や、地盤が弱い土地にも経費がかかります。まず境界線が明確でない場合、隣接する土地の持ち主とトラブルになりかねません。そのため、境界線を明確にするために、隣接する土地の持ち主立ち会いのもとで、測量をして境界杭を設置しましょう。費用はかかりますが、将来起こるかもしれないトラブルを考えて、設置することをおすすめします。
また、建物の建築前に地盤調査をして、地盤が弱いと判断された場合、地盤の補強工事をします。地盤が弱いまま家を建ててしまうと、どんなに耐震性能が優れた家でも、地盤が弱いことで地震の揺れに耐えられないのです。大切な家族を守るためにも、地盤の補強工事の経費はしっかりとっておきましょう。
高低差がある土地にかかる経費
購入する土地に、隣接する土地や道路との高低差が1m以上ある場合、土が崩れるのを防ぐ工事が必要になります。高低差があればあるほど、工事にかかる経費も大きくなるため、明らかに高低差がある土地を購入するときは、一緒に工事費用の見積もりを出してもらいましょう。
まとめ
土地の探し方や、土地購入に関するさまざまな疑問について解説しました。家づくりにおいて土地探しはほんの一歩に過ぎず、土地を見つけてからも建築や諸々の手続き、住宅ローン手続きなどに手間がかかります。そのため、注文住宅を建てるときは、土地探しを含めた家づくりに関するさまざまな対応を、一貫して行ってくれる住宅会社に依頼することをおすすめします。
また、土地購入だけでローンを組むときは、金融機関を吟味できる時間が少なかったり、手続きがややこしかったりするので注意しましょう。土地購入においてなるべく費用を抑えたいという方は、仲介手数料がかからない建築条件付き土地がおすすめです。土地の形や広さ、希望エリアはもちろん、家づくりにおける資産計画を十分に立てたうえで、納得のいく土地購入をしてください。