【要注意!】注文住宅の購入前にしっかりと資金計画を立てよう!
注文住宅は施主や施主の奥さまの趣味に合わせたデザインが可能です。その家族に合った間取りも実現します。ほしい住宅性能も好きなように取り入れることができますよね。つまり注文住宅建築によって、住まいに抱く夢をすべて叶えることもできる訳です。
しかし、夢を叶えようとするあまり、予算オーバーになってしまうおそれもあります。工事が進むごとに意外な経費が発生してしまうことも。
ですから、注文住宅を建てる前に、事前に資金計画をしっかりと立てておくことは重要です。住宅を建築する場合どのような諸経費が発生するのか?資金の調達方法や住宅ローンの内容とは?また、つなぎ融資とは何か?重要な点に関してまとめてみました。ぜひ参考になさってください。
資金計画とは?具体的には何をする?
住宅の買取や売却の中で、「ローンが払えなくなった」という理由で売主になるのは悲しいことです。家族もせっかく住み慣れた家を離れるのはつらいでしょう。
そんな事態にならないよう、資金計画は余裕を持って考えることが大切です。注文住宅建築のための資金計画とは具体的にどんな風に立てればいいでしょうか。
■住宅の本体価格以外の費用を考えよう
一般に本体工事費:付帯工事費:諸費用の割合は7:2:1と言われています。電気・ガス設備などの付帯工事費、仮住まいへ、そして仮住まいから新居への往復の引っ越し費用、住宅ローンの手数料など。
建て替えなら解体工事費用もかかります。とにかく、本体価格には含まれない諸費用がかかることをあらかじめ把握しておきましょう。
■あくまでも返済能力ベースで考える
注文建築ではあれやこれやと夢や希望が広がってしまい、自身の能力を超えた予算を組みがち。返済能力以上の資金計画になってしまうことも。あくまでも返済能力をベースに考えていくことが大切です。
毎月いくらまでなら返済できるのかを考えることが基本。通常、「年間の返済額は年収の25%以内に収めておけば安心」とされているようです。そしてできるだけ経費を節約して頭金に回すのは賢明な方法でしょう。
■住宅ローンでの借入可能額を決めよう
月々の返済額の目安が把握できたら、年収負担率から借り入れ可能額を試算してみましょう。「住宅ローンシュミレーション」「シュミレーター」と言われるサイトを使用すればわかります。
■住宅ローンの選択はくれぐれも慎重にしよう
住宅ローンの種類、すべてについて検討しましょう。自身に合った住宅ローンを選択するために、それぞれの特徴はしっかり把握すべきです。
以上を踏まえて、まちがいの無い総予算と調達可能金額、自身の返済能力をまず把握し、そこから計算、プランニングを始めるようにしてください。
諸費用を把握しよう
前述のとおり、注文住宅の建築に関しては家の本体価格だけでなく、付帯工事費や諸経費がかかります。合計でおよそ総予算の3割ほどで、きちんと計算に入れておかなければ予算オーバーとなります。割合は以下のとおり。
○家本体の建築費用 7割 仮設工事や土工事、木工事に屋根工事など
○付帯工事費 1.5~2割 暮らすための設備。電設関連、インテリアやエクステリア関連○諸経費 0.5~1割 不動産を購入で発生する手数料、保証料、謝礼代、印紙税など
付帯工事費と諸経費の合計が諸費用ということになりますね。そして建て替えでない場合、ここに土地の購入費が入りますが、埼玉県内でもエリアによって価格が異なるため、一概に割合を述べることはできません。土地購入に際しては通常、売買契約時に1割の手付金、土地の引渡し時に9割の残金を払うことになります。
参考までに、住宅金融支援機構の『フラット35利用者調査』、2017年版の土地付注文住宅の都道府県別の平均所要資金によれば、埼玉県は4336万円。全国平均より300万円ほど高いようです。
→https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf
また、注文住宅建築においては建て替えをする場合もあるかと思います。建て替えをする場合は、上記の上に引っ越し予算(往復分)と、仮住まいの費用、旧宅の取り壊し費用などもかかってきますので、「土地代がかからない分家にお金をかけよう」と、勢い込み過ぎないように注意しましょう。
つなぎ融資とは?
一般に住宅ローンは家、建物本体を担保として組まれます。したがって、注文建築の場合も建物が完成しないとローンが組めないんです。
物件が完成するまでの期間にも、土地購入費用や家を建てるのに必要な着工金や中間金などを支払う必要がありますので、自己資金が無い方は非常に困ってしまいますよね。しかし、現実にはそのような方々を対象に「つなぎ融資」というローンが用意されています。
■つなぎ融資とは?
物件が完成するまでの期間に利用するローンのことです。土地購入費、着工金、中間金などに主に使用され、つなぎ融資利用中はそれらの利息のみを返済。
建物が完成し、住宅ローンが融資されたらそれでつなぎ融資を精算し、住宅ローンの園際をスタートさせるのが一般的です。つなぎ融資を利用すれば、自己資金が少なくても注文住宅を建てられますね
■つなぎ融資の良くないところとは?
一般的な住宅ローンに比べて高金利です。融資事務手数料などの諸費用もかかります。そして、つなぎ融資には住宅ローン控除は適用されません。住宅ローン自体、家が完成してからしか適用されないからです。
また、つなぎ融資は通常、利息と手数料をあらかじめ差し引かれた金額が振込まれます。例えば、土地購入で1,000万円のつなぎ融資を受けた場合、利息が約15万円で、融資事務手数料が10万8,000円だと仮定すると、振り込まれるのは約974万2000円。差額の25万8000円は自己資金で用意しなければなりません。
それ以外に融資金額による収入印紙代がかかります。融資金額が500万円以上1,000万円以下なら10,000円。1,000万円以上5,000万円以下なら20,000円です。
■つなぎ融資はいつから受けられるか?
通常の住宅ローンの仮審査(事前審査)に申し込むとき、同時につなぎ融資にも申し込みます。無事住宅ローンの審査を通過し、仮承認がおりた段階からつなぎ融資を受けることが可能です。
自己資金が用意できない方はつなぎ融資が必要になるため、返済の負担が少し大きくなってしまうことを認識しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。注文住宅は資金面では建売住宅やマンション購入と違って複雑化しやすく、思わぬ負担もかかってくるようですね。「注文住宅は高い」という認識は元々あったものの、「資金面・ローンにおける煩雑さまでは知らなかった」という方も少なくないのではないでしょうか。
建て売り住宅や中古住宅、分譲マンションや中古マンションなどは購入金額がはっきりしていますので、予算オーバーというのはリフォームやリノベーション以外ではあまり心配はありませんよね。しかし、注文住宅では大いにありがちだと思います。
あれやこれやと希望を盛り込みすぎてしまわないよう、お金のかけどころはしっかり決めておきましょう。逆に「ここは妥協ポイント」という点も意識しておくといいかもしれません。
しかし注文住宅はデザインや間取りなど、すべてを自在にできます。これほど楽しいことは人生の中でもなかなかないでしょう。注文住宅建築にはそれだけの価値があると思います。