注文住宅の間取りを考える上での注意点やポイント!
注文住宅は建売住宅とは違い、間取りから外観のデザイン、キッチンやバスルームなどの設備、柱や壁に使用する素材まで、すべて自由に決めることができます。
せっかく注文住宅を建てるからには、他にはない、自分たちだけのオリジナルな家を建てたいと考える方も多いのではないでしょうか。
ただ、完成直後には満足していても、何年か生活してみると、不便だったり、不具合が出てくることもあります。
建築後にリフォーム可能な設備であれば良いですが、修正不可能な間取りもあります。
また、せっかく予算内で建築したのに、リフォームや定期的なメンテナンスが必要になり、たびたび出費が重なるようでは元も子もありません。
ここでは、注文住宅の間取りを考える上での注意点やポイントについて解説します。
あとから後悔しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
まずは自分で理想の間取り図を作成してみよう!
まずは細かいところまでは考えず、絶対に譲れない条件やほしい要素を、優先度の高い順で箇条書きにしてみましょう。
たとえば、「和室がほしい」、「オープンキッチンにしたい」、「駐車スペースは2台ほしい」と言った具合です。
最初から「これはなくてもいいや」と控えめに考えてしまうとあとから後悔することもあるので、「あったら嬉しい」程度の条件まで書いておくと良いでしょう。
具体的な設備だけではなく、天然素材をたくさん使った家にするのか、コンクリート打ちっぱなしのモダンな雰囲気にするのか、と言った、家のコンセプトや使う素材についても明確にしておくとスムーズです。
そして施工会社との打ち合わせにおいて、設計上難しいものを除いたり、予算の範囲内でできるものを選んだりして、具体的な間取りを決めていきます。
複数の会社に見積もりを依頼し、予算内でより希望通りの家を建ててくれそうな施工会社を選びましょう。
間取りを考える上での注意点・ポイント
絶対条件や優先順位が決まったら、もう少し細かいところまで目を向けてみましょう。
家族が増えたら、子どもが成長したら、子どもが独立したら、など、家族のかたちが変化していくことまで考えながら、決めていきましょう。
■収納
最近はあまり収納家具を置きたくないという方も多く、ウォークインクローゼットが人気です。
しかし、手持ちの収納家具をすべて処分するとなるとあとで後悔するかもしれませんし、その分費用もかかってしまいます。
今使っているたんすなどをウォークインクローゼットの中に置けるよう、きちんとサイズを測っておくと良いでしょう。
■コンセント
意外と見落としがちなのがコンセントの位置です。
あらかじめ家具を置く場所を決め、家具によってコンセントが隠れてしまわないか、延長コードがないと届かないような配置にならないか確認しましょう。
■子ども部屋
子どもたちが小さいうちは一部屋を広く使い、成長したら間仕切りをして個々の部屋にするという家も増えています。
その際、間仕切りをしたら片方の部屋に光が届かなかったり風が通らなかったりすることがないかまで考えておくと良いでしょう。
■周辺環境
間取りを考える時は室内だけに目がいきがちですが、周辺環境のことも考えておく必要があります。
外を通る人や車の音がうるさかったり、逆に家の中で騒ぐ子どもの声が外に聞こえたりして迷惑をかけるかもしれません。
また、大きな窓は開放的で素敵ですが、場所や向きによっては外からの視線が気になってカーテンを開けられないということにもなりかねません。
窓の位置や大きさ、ガラスの素材なども慎重に決めましょう。
■音や臭い
さらに、音や臭いなど、目に見えない要素も忘れてはいけません。
トイレなどの水回りの音やキッチンからの臭いがどこまで届くかといったことは、実際に生活してみないと分かりません。
そう言った素人にはなかなか想定しにくいことに関しては、施工会社と相談するようにしましょう。
生活する上での動線も重要
いくら自分好みのおしゃれな空間を作ったとしても、生活動線が悪ければ後悔してしまいます。
これから何十年も生活していくことを考え、家事のしやすさや暮らしやすさを第一に間取りを考えましょう。
■朝の動線
最も重視すべきは、料理や洗濯など日々の家事のしやすさです。
食事の準備をしながら洗濯機を回すなど、複数の家事を同時に行いやすい間取りを意識すると良いでしょう。
特に朝の時間帯は家族全員がキッチンやリビング、トイレ、洗面所を行き来しますから、渋滞が起きないような動線を確保したいものです。
簡易的な図面を用意し、朝起きてから出かけるまでの家族全員の動線を色ペンを使って実際に書いてみると、視覚化されて分かりやすいです。
■帰宅時の動線
また、帰宅したときのことも考えてみましょう。
クローゼットが2階の寝室にしかない場合、帰ってすぐ上着を脱いでリビングのソファーに放置するのが常習化し、部屋が散らかる原因になってしまうかもしれません。
毎日着る上着を掛けられたり、子どもの自転車などを置いておける土間収納を作るもおすすめです。
■来客時の動線
さらに、来客時の動線も忘れてはいけません。
たとえばリビング階段はデザイン的にもおしゃれで、家族と顔を合わせる機会を増やせるというメリットもありますが、リビングを通らないと1階と2階の移動ができないため、来客時には嫌でも顔を合わせなければならず、気軽にシャワーを浴びられない不便を味わう恐れも出てきます。
パパ、ママもプライベートな空間を持とう
間取りを考えた末、子どもたちにはそれぞれ独立した部屋を用意するのに、両親には夫婦の寝室しかないという方も多いのではないでしょうか。
しかしいくら家族と言えど、「親」や「夫」や「妻」ではない空間を家庭内に持つことは大切です。
パパには書斎を作るという方も多いですが、どうしても土地の広さや予算的に、書斎を作る余裕がないという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、独立した部屋でなくても、リビングの一角や踊り場などのわずかなスペースに机と本棚を設置するだけで、そこが自分だけの書斎になります。
また、広めのウォークインクローゼットやパントリーの一角が、ママ専用のプライベート空間になっているという方もいます。
自分だけの空間では、どんなに散らかしてもだらしない姿でいてもいいのです。
家にいるのに気が休まらないような間取りにしてしまうと、帰りたくなくなったり、ストレスが溜まったりしてしまいます。
どんなに狭くても一人になれる場所を作ることで、結果的に家族間の関係も良好になるでしょう。
せっかく注文住宅を建てるのですから、帰るのが楽しみになるような居心地のいい間取りにしたいですね。
施工会社との打ち合わせにおける注意点・ポイント
施工会社との打ち合わせにおいても、注意したいポイントがあります。
それは、「1階の南側に和室がほしい」など、あまり具体的過ぎる注文をしないということです。
施工会社としては、契約前は特に、なるべく施主の要望を叶える方向で話を進めるので、「それは難しいです」とか、「こういう間取りのほうが良いと思います」と言った否定的な発言は控える傾向にあります。
ですから、「できればこうしたいけど、もっといい配置があるなら提案してください」とか、「これは絶対条件ではないので、やめたほうがよければ教えてください」など、施工会社が反対意見を言いやすいように工夫すると良いでしょう。
まとめ
家を建てるという行為は、ほとんどの方にとっては一生に一度の経験になるでしょう。
だからこそ、完成後に後悔しないような間取りを考えるのは重要です。
自分たちの理想の間取りを叶えられるかどうかというのは施工会社の特色やサービス内容にも左右されますので、じっくりと比較検討するようにしてください。
また、実際に注文住宅を建てた方の体験談を聞くことも大切です。
身近にそういう方がいるならば、どんなところにこだわったのか、失敗してしまったと思う点はあるかなど、参考になりそうな意見は早い段階から聞いておくと安心です。
身近に注文住宅を建てた方がいない場合は、ネットの口コミを探してみるのも有効です。
注文住宅を建てるなら、ぜひ間取りにこだわって、理想のマイホームを手に入れてくださいね。